η²計算機

η²（イータ二乗）は、分散分析（ANOVA）で使用される効果量指標であり、全分散のうち特定の要因に帰属される割合を示す。この指標を理解することで、研究者は実験的研究における効果の強さを評価できる。

歴史的背景

η²は、20世紀半ば以降、特に心理学や教育研究において、統計分析で広く用いられてきた。統計的有意性に加え、結果の実質的な重要性を解釈するための貴重な指標となる。

計算式

η²の計算式は以下の通りである。

\[ \eta^2 = \frac{\text{SS}_{\text{effect}}}{\text{SS}_{\text{total}}} \]

ここで：

• SS_effect: 効果の平方和
• SS_total: 全平方和

計算例

SS_effect = 20、SS_total = 100の場合、

\[ \eta^2 = \frac{20}{100} = 0.2 \]

これは、全分散の20％が研究対象の効果によって説明できることを意味する。

重要性と使用場面

η²は、効果の大きさを明確に伝える必要がある研究において重要である。特に、効果の大きさが実験結果の実質的な意味合いへの洞察を提供できる心理学などの分野で有用である。

よくある質問

1. 適切なη²の値とは？

   • 1に近い値ほど、効果量が大きいことを示す。厳密な閾値はないが、一般的に、η²の値が0.01、0.06、0.14はそれぞれ小さい、中程度、大きい効果とみなされる。

2. η²とR²は同じか？

   • 違う。どちらも説明された分散の尺度であるが、R²は通常回帰分析で使用され、η²はANOVAで使用される。

3. η²は負になるか？

   • いいえ、分散の割合であるため、η²は負になることはない。